第6回国際バイオExpo 基調講演
6月20日、東京ビッグサイトにて開催された第6回国際バイオExpoにて、中村祐輔さんが「ゲノム医療の現状と展望」という演題で、基調講演を行いました。(以下は講演要旨です。)
- ヒトゲノム研究によるパラダイムシフトの結果、以下のような大きな変化が起きています。
<薬を作る>:ランダムな化合物スクリーニングから、標的分子を目標とするスクリーニングへ(ゲノム創薬)
<薬を使う>:レディメイド医療(平均的に効く薬)から、オーダーメイド医療へ(一人一人に適切な薬)
<健康を守る>:病気になってからの治療から、病気の予防へ - 特に、最近の抗ガン剤研究における治療法の例として、食道ガン(抗原ペプチドの使用による肺転移の消失例)、膵臓ガン(抗がん剤+抗原ペプチド によるガン増殖停止例)で成果が出ており、オーダーメイド医療に基づく薬剤の使い分けにより、更に効果が期待されます。
- 全国66病院25000床(2007年5月時点)の協力を得て行われている“オーダーメイド医療実現化プロジェクト”
(http://www.biobankjp.org/index.html)では、推進委員長に豊島久真男さん(小25回卒)、プロジェクトリーダは中村祐輔さんの下に、多くの医療機関・研究機関の協力を得て、病気ごとの個人差データ(薬の効き方)を集積中であり、これをデータベース化する事で、全国の患者さんがオーダーメイド医療を受けられるようになります。
※同窓会の皆さんも、薬の副作用を避けて自分に合った治療を受けられるよう、 “オーダーメイド医療実現化プロジェクト”への継続的な応援をお願いします。